「北関東にパワースポットが多いとは聞くけれど、茨城・栃木・群馬、結局どこから回ればいいのか分からない――」そう感じたことはありませんか。
結論から言うと、北関東3県には、東国三社の武神信仰、日光を頂点とする山岳信仰、
常陸・下野・上野それぞれの一之宮という格式という、3県を貫く3つの信仰の軸があります。
この記事では、茨城・栃木・群馬それぞれの代表的な神社をこの3つの軸でつなぎながら紹介し、
3県をまたいで巡る場合の周遊モデルプランも解説します。
週末の小旅行から本格的な巡礼まで、目的に合わせて選べるのが北関東の魅力です。
各県の全スポットは、本文中のリンクから個別記事でも紹介しています。
以下で紹介するご利益は、神社に伝わる由来や言い伝えとして紹介するものです。
科学的な根拠を示すものではない前提で読み進めてください。
北関東(茨城・栃木・群馬)がパワースポットの一大エリアと言われる理由
まずは、茨城・栃木・群馬という3県が「北関東」としてひとまとめに語られる理由を確認しておきましょう。
東国三社という「関東を鎮める」信仰圏
「東国三社(とうごくさんしゃ)」とは、
鹿島神宮(茨城)・香取神宮(千葉)・息栖神社(茨城)という3つの神社を指します。
鹿島神宮・息栖神社は茨城県内、香取神宮は隣接する千葉県にあります。
この記事は北関東(茨城・栃木・群馬)が主役のため、香取神宮そのものは個別記事に譲り、
ここでは茨城県内の2社を中心に紹介します。
古くは伊勢神宮を参拝したあと、
東国三社を巡る「下三宮参り」が江戸の庶民のあいだで習わしとされていたと伝わります。
鹿島神宮の武甕槌大神・香取神宮の経津主大神は、
大和朝廷が東国平定の最前線として重視した武の神様とされ、息栖神社の久那斗神・天鳥船神は、
その2柱を道案内したと語られる神様です。
日光を頂点とする山岳信仰のライン
栃木県の日光は、奈良時代の僧・勝道上人が782年に男体山への登頂を果たしたのが信仰の始まりと伝わります。
「二荒(ふたら)」という名は、
観音菩薩の浄土とされる「補陀落(ふだらく)」に由来するという説があり、
のちに徳川家康を祀る日光東照宮が建立されたことで、山岳信仰と神仏習合が重なり合う、
日本屈指の聖地へと発展しました。
那須の温泉信仰、鹿沼・古峯神社の天狗信仰も、
この日光を頂点とする山岳信仰の裾野に連なると語られています。
常陸・下野・上野、それぞれの「一之宮」が今も生きている
「一之宮(いちのみや)」とは、律令時代にその地域で最も格式が高いとされた神社を指します。
常陸国一之宮は鹿島神宮(茨城)、下野国一之宮は日光二荒山神社(栃木)、
上野国一之宮は貫前神社(群馬)と、
北関東3県には、それぞれの令制国の一之宮が現存しています。
古代の格式が今も参拝できる形で残っている点が、北関東の特徴と言えます。
・日光の山岳信仰は勝道上人の男体山登頂(782年)が起点とされる
・常陸・下野・上野、3県それぞれの一之宮が現存している
・いずれも由来・伝承として紹介するもので、効果を保証するものではない
茨城のパワースポット – 東国三社の要を訪ねる
北関東の東の玄関口・茨城は、東国三社のうち2社を擁するエリアです。
筑波山神社・御岩神社・大洗磯前神社といったほかの代表スポットは、別記事で詳しく解説します。
鹿島神宮(かしまじんぐう) – 東国三社の中心、勝負運の神様
鹿島神宮の場所を地図で見る(Googleマップ)鹿島神宮は、
神武天皇即位の年ごろの創建と伝わる、日本でも屈指の古社です。
祭神の武甕槌大神は、大和朝廷が東国平定の最前線として重視した武の神様とされ、
古くから「勝負運の神様」として信仰されてきました。
本殿奥の「要石」は、地中の大鯰を押さえて地震を鎮めていると伝わる霊石で、
香取神宮の要石と地中でつながっているとも語られています。
アクセスはJR鹿島神宮駅から徒歩約10分、境内は24時間参拝でき、
授与所の受付は8時30分〜16時30分です。
鹿島神宮の神鹿が起源という伝承があります。
春日大社創建の際、鹿島の神様が白鹿に乗って渡ったと伝わることから、
奈良の鹿は「神の使い」とされてきました。
息栖神社(いきすじんじゃ) – 三社の中で最も知られていない一社
息栖神社は、東国三社の中でも知名度が最も低い一社と言われています。
祭神の久那斗神・天鳥船神は、鹿島・香取の2柱を道案内したと伝わる神様で、
「道が開ける」「旅立ちを後押しする」神社として語られることがあります。
三社参りの順番に決まりはありませんが、
鹿島→香取→息栖という神話の流れに沿った順番で回ると、物語を辿りやすいとされています。
鹿島神宮の参道は、樹齢数百年の杉並木が約300メートル続く荘厳な道で、
歩くだけでも心が静まっていくと評判です。
参拝のあとは、大洗や鹿嶋の港で新鮮な海の幸を味わうのも、茨城ならではの楽しみ方です。
もっと詳しく知るなら
筑波山神社・御岩神社・大洗磯前神社を含む茨城の代表スポットは、
別記事「茨城のパワースポット4選」でエリア別・願い事別に詳しく解説しています。
栃木のパワースポット – 日光山の山岳信仰をたどる
北関東の中央に位置する栃木は、日光を中心とした山岳信仰の厚みで知られるエリアです。
ここでは日光二荒山神社の開山の物語を中心に紹介し、日光東照宮や那須・県央の代表スポットは、
別記事で詳しく解説します。
日光二荒山神社(にっこうふたらさんじんじゃ) – 山岳信仰の原点
日光二荒山神社の場所を地図で見る(Googleマップ)日光二荒山神社は、
勝道上人が782年に男体山への登頂を果たしたことに始まる、日光山岳信仰の総本社です。
祭神の大己貴命(おおなむちのみこと)は、縁結びの神様として知られ、
神門前の「縁結びの御神木」でも親しまれています。
のちにこの地に、徳川家康を祀る日光東照宮が建立されたことで、
山岳信仰の聖地に神仏習合の荘厳さが重なり合う、独特の雰囲気を持つ聖地となりました。
アクセスはJR日光駅・東武日光駅から世界遺産めぐりバスで12〜15分、
参拝時間は8時〜17時が目安(季節により変動)です。
「下野国一之宮」は日光二荒山神社のほか、市街地の宇都宮二荒山神社も名乗り、
古くから2社で論じられてきたと伝わっています。
古峯神社と那須温泉神社 – 天狗信仰と温泉信仰の裾野
鹿沼市の古峯神社は、「天狗の宿」とも呼ばれ、
天狗信仰の中心地として関東から東北にまで信仰圏が広がっていると言われています。
那須温泉神社は、傷ついた鹿が温泉で癒えていたのを見つけた狩人が、
温泉の発見に感謝して祀ったのが始まりと伝わります。
いずれも、日光を頂点とする山と自然への信仰が形を変えて広がったものと語ることができます。
日光エリアを訪れたら、名物の湯波(ゆば)料理や、
いろは坂の紅葉ドライブもあわせて楽しみたいところです。
参道から続く杉並木街道は、世界一長い並木道としてギネス認定されている道でもあります。
あわせて読みたい関連記事
那須温泉神社・古峯神社・足利織姫神社を含む栃木の代表スポット8選は、
別記事「栃木のパワースポット8選」で詳しく解説しています。
日光山岳信仰の裾野にある神社として個別記事で紹介しています。
群馬のパワースポット – 上州の古社と上毛三山
北関東の西端に位置する群馬は、
上野国一之宮の格式と「上毛三山」という独自の山岳信仰で知られるエリアです。
ここでは貫前神社を中心に紹介し、榛名神社・赤城神社・妙義神社は、別記事で詳しく解説します。
一之宮貫前神社(いちのみやぬきさきじんじゃ) – 上野国を代表する下り宮
一之宮貫前神社の場所を地図で見る(Googleマップ)貫前神社は、
上野国一之宮という格式の高さで知られる神社です。
石段を上って総門をくぐったあと、さらに石段を下った先に社殿があるという、
全国でも珍しい「下り宮」の構造を持っています。
主祭神の経津主神は、鹿島神宮の武甕槌大神とともに、
東国平定に遣わされたと伝わる武の神様のひとりで、
茨城・鹿島神宮とも神話の上でつながっています。
アクセスは上信電鉄・上州一ノ宮駅から徒歩約10分、総門は24時間参拝可能で、
社務所は8時〜17時です。
上毛三山(赤城山・榛名山・妙義山) – 山を跨いで根付く信仰
群馬県では、赤城山・榛名山・妙義山を「上毛三山(じょうもうさんざん)」と呼び、
それぞれに神社を構える形で信仰してきました。
日光連山・那須連山から、上毛三山まで、北関東は関東平野の北の縁を囲むように、
山岳信仰の山々が連なっている、と見ることもできます。
赤城山の神と男体山の神が、
中禅寺湖の領有を争って戦ったという伝説に由来すると語られています。
県境を越えて残る伝説の例です。
貫前神社のある富岡市周辺は、
下仁田ネギやこんにゃくなど名物グルメが豊富なエリアでもあります。
参拝の帰りに、近くの磯部温泉や妙義山の奇岩の景観に立ち寄るのも、
上州ならではの過ごし方です。
さらに深掘りするなら
榛名神社・赤城神社(大洞)・妙義神社を含む群馬の代表スポット4選は、
別記事「群馬のパワースポット4選」で詳しく解説しています。
貫前神社の下り宮の由来は、別記事「貫前神社の下り宮ガイド」もあわせてご覧ください。
3県をまたいで巡るなら – 北関東周遊のモデルプラン
茨城・栃木・群馬は、東西に大きく離れているため、3県を1日で回るのは現実的ではありません。
幸い3県は、北関東自動車道という一本の高速道路で結ばれているため、
移動そのものは組み立てやすいエリアです。
東国三社+日光ルート(茨城→栃木)
1日目に鹿島神宮・息栖神社を参拝して鹿嶋周辺に宿泊し、
2日目に日光二荒山神社へ向かうルートです。
常磐自動車道・北関東自動車道を使えば、
鹿嶋から日光までは車で2時間半〜3時間ほどが目安です。
東国三社の武神信仰から、日光の山岳信仰へと移り変わる物語を体感しやすい組み合わせです。
宿泊エリアの候補は、鹿嶋市内のビジネスホテルなら1泊5,000円〜8,000円程度、
潮来温泉郷の旅館なら1泊1万5,000円〜2万5,000円程度が目安です(時期・施設により変動します)。
参拝におすすめの季節は、梅雨・真夏を避けた春(4〜5月)や秋(10〜11月)で、
境内を歩きやすく過ごしやすい気候です。
日光+上州ルート(栃木→群馬)
1日目に日光二荒山神社を参拝して日光・宇都宮周辺に宿泊し、
2日目に高崎方面へ移動して貫前神社・上毛三山のいずれかを参拝するルートです。
日光宇都宮道路・北関東自動車道を使えば、日光から高崎・富岡までは車で2時間前後が目安です。
山岳信仰の頂点(日光)から、その裾野に連なる上毛三山・一之宮へと巡ることができます。
宿泊エリアの候補は、日光駅前や鬼怒川温泉なら1泊8,000円〜1万5,000円程度、
高崎・富岡周辺のホテルなら1泊6,000円〜1万円程度が目安です(時期・施設により変動します)。
おすすめの季節は、日光の紅葉が見頃を迎える10月中旬〜11月上旬で、
上毛三山方面も同時期は空気が澄み、山々の眺めを楽しみやすくなります。
2泊3日・3県通し統合モデルプラン
ここまでの2つのルートは、そのままつなげることで、
2泊3日の3県通しプランに組み上げることができます。
具体的な日程は次のとおりです。
| 日程 | 県 | 行程 | 宿泊地 |
|---|---|---|---|
| Day1 | 茨城 | 鹿島神宮 → 息栖神社 | 鹿嶋・潮来周辺 |
| Day2 | 栃木 | (車で2時間半〜3時間) → 日光二荒山神社 | 日光・宇都宮周辺 |
| Day3 | 群馬 | (車で2時間前後) → 貫前神社/上毛三山 | 帰路(日帰り) |
Day1は茨城で東国三社の武神信仰、Day2は栃木で日光の山岳信仰、
Day3は群馬で上野国一之宮と、3県それぞれの信仰の軸を1日ずつ体感できる組み立てです。
移動時間に余裕を持たせたい場合は、
Day2とDay3の間に那須や鬼怒川温泉での連泊を挟んでもよいでしょう。
| 県 | 代表スポット | 信仰の軸 | アクセスの起点 |
|---|---|---|---|
| 茨城 | 鹿島神宮 | 東国三社・武神信仰 | 常磐自動車道・潮来IC |
| 栃木 | 日光二荒山神社 | 日光山岳信仰 | 日光宇都宮道路・日光IC |
| 群馬 | 一之宮貫前神社 | 上野国一之宮・上毛三山 | 北関東自動車道・高崎JCT |
茨城・常陸那珂ICから栃木・都賀ICを経て、
群馬・高崎JCTまでを結ぶ高速道路です。
3県をまたぐ移動の多くは、この1本の道路でカバーできます。
ただし日光・那須・上毛三山など山間部への移動時間は別途見込んでおくと安心です。
北関東のパワースポットに関するよくある質問
北関東のパワースポット巡りについて、よく寄せられる質問にお答えします。
東国三社は北関東だけで回れますか?
東国三社(鹿島神宮・香取神宮・息栖神社)のうち、鹿島神宮・息栖神社は茨城県内にありますが、
香取神宮は隣の千葉県香取市にあります。
北関東3県だけでは、三社をすべて回れません。
1泊2日で茨城・栃木・群馬を全部回れますか?
3県を効率よく回るなら、2泊3日を目安にするのがおすすめです。
時間が限られる場合は、2県に絞るのも一案です。
先ほど紹介した2泊3日・3県通し統合モデルプラン(Day1〜Day3)のとおりに回れば、
3県を効率よく巡ることができます。
ご利益は必ず叶いますか?
鹿島神宮のように、1,000年以上参拝され続けてきた神社でも、
ご利益を保証するものではありません。
由来や歴史を知ったうえで、気持ちを整えるきっかけとして訪れるのがおすすめです。
北関東の個別スポットをもっと詳しく知りたい場合は?
茨城は「茨城のパワースポット4選」、栃木は「栃木のパワースポット8選」、
群馬は「群馬のパワースポット4選」で、それぞれ願い事別・エリア別に詳しく解説しています。
「間々田八幡宮」「加蘇山神社」(栃木)、「貫前神社の下り宮ガイド」(群馬)など、
個別記事もあわせてご覧ください。
北関東のパワースポット周遊ガイド|茨城・栃木・群馬を東国三社と山岳信仰でつなぐ3県プラン:まとめ
茨城・栃木・群馬という北関東3県には、東国三社の武神信仰、日光を頂点とする山岳信仰、
常陸・下野・上野それぞれの一之宮という、3つの信仰の軸が今も息づいています。
今回紹介したように、鹿島神宮は勝負運、日光二荒山神社は縁結び、貫前神社は総合運と、
それぞれ異なる性格を持ちながら、北関東自動車道という一本の道でつながっています。
2泊3日で3県を通しで回るもよし、自分の目的地に近いルートから1つ選んで訪れるもよしです。
まずは各県の代表スポットを1ヶ所選び、次の休みの計画に組み込んでみてはいかがでしょうか。
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